はじめてでも失敗しない!同人誌の発行部数の決め方

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はじめてでも失敗しない!同人誌の発行部数の決め方

コラム

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はじめて同人イベントに参加する人は、どれくらい同人誌を持っていけばいいのかわからず悩みがちでしょう。失敗しない同人誌の発行部数の決め方のポイントは以下の通りです。

・同人誌は少ないくらいがよい
・20冊あれば足りるケースが多い
・SNSのフォロワー数などを参考にすると間違いがない

同人イベントで最も怖いのが、売れずに在庫を抱えてしまうということです。置き場所の確保に倉庫代などがかかってきてしまいます。はじめての人はまずは少数部数からスタートするのが大切です。詳しく確認していきましょう。

同人誌の発行部数の考え方

同人誌の発行部数については、足りないぐらいがちょうどいいとされています。

コミケなどのイベントに行くと、同人誌がどんどん売れていく現場を目にすることが多いでしょう。そのため、初心者は「足りなかったら困るから多めに刷っておこう」と考えてしまいがちのようです。

しかし、初心者の場合は、発行した同人誌がすべて売れる可能性は低いのです。初参加の場合は、20冊でも多いとされています。

20冊では、全然足りないように思う人もいるかもしれませんが、初版部数はミニマムに抑えるべきです。Twitterでコミケ初参加の人のつぶやきを探してみてもほとんどの方が20冊程度で足りる、20冊でも多かった、と言明しています。

初参加者の場合は、20部売ることができれば、かなりすごいとされているのです。

初心者の方は、「キリもよいから50冊くらい刷ろうかな」と考えてしまいがちですが、50部はかなり人気のサークルでようやく売り切ることが可能な冊数なのです。

初参加では一冊も売れなかったというケースもあるのです。初めてのイベントは部数を少なくし、知名度が出てきてから、徐々に部数を増やしていきましょう

オンデマンド印刷とオフセット印刷とは?

20冊程度の発行部数の場合は、オンデマンド印刷で、製本してもらいましょう。同人誌イベントでよく聞くオンデマンド印刷とオフセット印刷は、以下のような違いがあります。

オンデマンド印刷

入力された原稿のデジタルデータから直接印刷する方法です。一冊からでも低価格で印刷してもらえる特徴があります。ただし、印刷の品質はやや低く、細かいデザインや繊細なグラデーションは再現されないこともあります。

発行部数を、1~300冊と設定している人におすすめの印刷方法です。

オフセット印刷

オフセットは、入力されたデータから「版」を作って、原稿を印刷する方法です。製版料金が必要になるので、少数部数ならば、オンデマンド印刷よりもかなり高額になります。

しかし、オンデマンド印刷よりも質の高い印刷ができるので、細かい表現なども再現可能です。製版料金の元が取れる発行部数300冊以上ならオフセットを検討してみましょう。

発行部数の決め方のコツ

初心者ならば、20部程度を準備しておけば大丈夫です。しかしながら、すでに知名度のある人は20冊では少なすぎます。自分自身の同人誌がどれくらい需要があるかを見極めて、発行部数を決定していくのが大切です。

具体的には、以下の点を考慮してみてください。

SNSのフォロワーの数で決める

同人誌を発行する予定の方は、「PIXIV」や「Twitter」といったSNSを使って、定期的に作品を発表していることでしょう。

SNSのフォロワー数は、同人誌の需要を図るツールになります。「フォロワーの1/10」程度の部数は売れる可能性があるとされています。

自身のSNSのフォロワーが平均よりも多いならば、多めに同人誌を刷っても良いでしょう。

SNSでアンケートを取ってみる

SNSの作品は基本的に無料で閲覧ができますから、作品を見てくれていても「お金を払ってまで見る気はない」という人もいます。

結果、SNSのフォロワーの数はあまり参考にならないこともあるのです。フォロワーに意見を聞いてみるのも良いでしょう。

Twitter の投票機能などを利用して、「コミケに出る予定ですが、購入してくれますか?」といったようにアンケートを取ってみてください。

当日のブースの位置

同人誌を売るブースの配置にも「あたり」と「はずれ」があります。広い通路に面した人通りの多い場所や近くに人気サークルがある場所は、あたりとされています。

このような場所は自然と人が多く集まり、人の目に触れる機会が多く、相乗効果で売上が増えるのです。

もしも、人通りの多いブースに配置が決まったならば、発行部数は少し多くてもよいでしょう。逆に、狭い通路に面していて人通りが少ない場所ならば、発行部数はおさえるようにしてください。

人気ジャンルならば多く印刷する

同人誌のジャンルにも流行があります。たとえば、自分が販売する予定の同人誌が、最近アニメ化して人気が出た漫画の二次創作だったとしましょう。この場合は、SNSのフォロワーが少なくとも、その漫画自体が人気があるので売れる可能性があるのです。

逆に、ブームが去った作品の二次創作などは、売れにくい傾向にあるようです。自分のジャンルの人気や流行を意識するのもかなり大切になるでしょう。

予算と相談する

同人誌イベントは、参加するのに意外とお金がかかります。申込するだけでも、約一万円の費用がかかることも多いのです。また、当日の交通費や宿泊費なども考えておかなくてはなりません。

予算を計算しておき、どれくらいならば印刷代金にまわせるかを把握しておきましょう。

そして、その印刷予算を元に、印刷業者に相談して、決定するのもおすすめになります。

まとめ:初心者は刷りすぎに注意して発行部数を決めよう

同人誌をはじめて発行する人は、どれぐらいの部数を刷ればいいのかがわからず悩みがちのはずです。同人誌初心者は20冊ぐらいからのスタートが基本になります。

「足りなかったら困るのではないか?」と思ってしまいがちですが、多く刷って、売れ残った時の在庫の保管や持ち帰りの方が大変です。刷りすぎに注意をするようにしましょう。

ただし、発行部数は、その作者の力量やジャンルの人気にも左右されます。基本は20冊を意識しながら、自身のフォロワー数なども考慮しつつ、発行部数は決めていきましょう。

同人誌作成など自費出版する場合、発行部数の他にも注意したい点は多くあります。こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
意外と怖い自費出版? 実際にあったトラブルから対応策を考えよう

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