自費出版で収入は得られない? それでも自費出版で損しない方法

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2016-09-29

自費出版で収入は得られない? それでも自費出版で損しない方法

コラム

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近年は、Webサイトにブログ、電子書籍と、作品を発表するプラットフォームは増えています。そこで手応えを感じた方が、自費出版サービスを使って「作品を本にして売ってみようかな」と思うこともあるでしょう。しかし、本を売るということは思うよりはるかに大変なことなのです。自費出版で収入を得ることは可能なのでしょうか。

自費出版にはお金がかかる

商業出版は、出版社が費用を負担して出版します。著者に対しては原稿料や印税が支払われることはあっても、著者が制作費を負担することは基本的にありません。 一方、自費出版は、著者が費用を負担して個人で出版するものです。原稿を制作する時間・金銭コスト、デザインや編集などを委託する場合の費用、印刷・製本費用など、すべて自分で賄う必要があります。

その費用は決して安いものではありません。デジタル技術が進歩した近年では、印刷費用を抑えることも可能にはなってきましたが、それでも、何十冊、何百冊という単位でそれなりの用紙で印刷しようと思えば、それなりに費用がかかるもの。サポートを受けるにしても自分で全部準備するとしても、目に見えない制作コストもあります。 「○円からの格安自費出版サービス」などとうたうサービスを目にすることもあるかもしれませんが、安いサービスには安い理由があります。

自費出版で収入は得るのは難しい

「出版にお金がかかるのはわかっている。その分販売すれば大丈夫」と思った読者の方は、どうやってその本を売り、費用をまかなうだけの収入を得るか、現実的に考えていますか? 書店で販売することを考えているのであれば、出版社系の自費出版サービスに依頼することになるでしょう。その場合、売り上げをどのように配分するかはサービスや契約によりますが、著者が得られるのは定価の数%程度の印税のみであることも少なくありません。

例えば、定価が1000円で、著者が得るのは1冊につき印税5%=50円だとします。500冊出版して書店ですべて売れた場合、500冊✕50円=2万5000円が著者の収入です。制作費用がこの金額に収まっていなければ、赤字ということになります。 自費出版において、この金額はで制作すること、この金額で販売することは現実的でしょうか。個人で出版した本を1000円で販売するのは簡単ではありません。あなたが書店に行って、知らない著者の本を1000円で買うことを想像してみてください。 商業印刷は、ビジネスとして利益の獲得を大きな目的の一つとしています。

確実に利益を上げられると判断できるテーマを厳選して出版し、その採算も非常にシビアです。戦略を練り、販促施策を打ち出して、少しでも多く売り出そうとします。 それでも、出版不況といわれる状況になっているのです。個人の出版で収入を得るのはとても難しいということが想像できるでしょう。

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自分がどれだけ納得できるか

とはいえ、自費出版が絶対に売れないかといえば、そうではありません。何かのきっかけでSNSなどで人気に火がつき、売れることもあります。書店以外で販売する方法もあります。1部でも多く手にとってもらうために著者ができることはたくさんあるでしょう。

そして、収入を得る方法は「本を売った売り上げ」以外にもあります。 自費出版をきっかけにして知名度や信頼が増え、本業の仕事依頼が増えることもあります。 出版によって作品のよさが認められ、ほかの媒体に寄稿を依頼されることもあります。 本を読んだ出版社の編集者が声をかけ、今度は商業出版で本を出すことができるかもしれません。 本をとおして、自分がどういう人間であるか、どういうジャンルに造詣が深いか、どういう作品をつくることができるかをわかってもらえれば、次のキャリア、次の出版へとつなげるチャンスになるのです。そのチャンスが、収入を生みます。 つまり、出版物は「販売する本」だけではなく「自身の販促ツール」にもなり得るのです。

そのためには、次につなげるだけのクオリティに仕上げなければなりません。いかにも素人が作ったような表紙では手にとってもらえませんし、内容がよくなければ見てもらえません。印刷の質があまりよくなければ、いい気はしないでしょう。 何より、そうした一つ一つをきちんと作り込むことで、自分自身が満足する自費出版をやり遂げることができます。そのことが必然的に信用を上げ、自身をPRする力を生みます。それだけのクオリティになれば、当初の「販売する」という点においても力をもつことでしょう。 そういう意味でも、費用はある程度見ておかなければなりませんし、短期的な回収に拘泥しないスタンスが必要です。

まとめ

自費出版は、金銭目的でするにはリスクもコストも大きいといわなければなりません。一方で、自分の思いを形にするという観点では、手が届かなかった出版を身近にするチャンスになります。 自費出版では、こだわりや予算に応じて思いのままに本を作り込むことができます。納得のいく本に仕立てることができれば、最後に本が納品されたときの達成感はとても大きなものになるでしょう。 そして、その出版が結果としてあなたの存在を知らしめれば、その先の展開は広がります。その意味で、販売を意識した質に仕上げることは大きな意味をもつのです。